遠いのに日本

     

旦那くんがフランス人だと言うと、”フランス人って◯◯ってほんとなの？”とか”フランスのご飯はおいしい？”とか”フランスって？フランス人って？”と聞かれることが多い。けど、いつもわかんないって答えてるわたし。”日本人って◯◯なんでしょ？”とか”日本では◯◯なの？”って質問もわかんないけどわたしは〜って答えてます。でも、そうでしょ？みんな一緒じゃないし、日本を代表して日本はこうです！なんて言えるわけない。血液型占いみたいなもんだ。

 

わたしの旦那はフランス人だけど生まれはアフリカだし、その後も転々としてて、フランス国内にやってきたのは大学からだし、ママは中国とベトナムのmixだし、パパも人生の半分はフランス国内にいないわけで。家庭料理も俗にいうフランス家庭とは内容が全く違うし、環境も違うから常識も違うわけで。だけど彼らはフランス人なわけで。。。

 

 イスラム教を信仰してる友達が３人いるんだけど、彼らは今ラマダン（断食月）です。毎日日があるうちは飲み物さえ口にしません。彼らもやっぱりカトリックとプロテスタントみたいに信仰程度に差があるとはいえ、やっぱり信仰が深いなぁと思う。みんなで音楽の話やなんかで盛り上がってもノンアルコール、豚肉入りのお好み焼きは食べません。あ、ベジタリアンの友達も１人いて、彼女も肉は全く食べないな。日本ではKYなんて言葉があったけど、”空気を読む”以前の話。前もかいたけど、私はこうだから。っていうのがそれぞれにあって、そういうのがいいなぁ。と思います。楽ちんだよね。

だけどわたしは日本人だし、もちろん空気を読んで行動する優しさも本当に素晴らしいなぁと思います。あっちもいいなぁ、こっちもいいなぁと首をクルクルまわしすぎると足下がふらふらして自分がどうしたいのかわからなくなってしまうよね。いいと思ったものは素直に摘みとっておけばいい。そのうち自分的使い道を思いつくはず。

ただ、文化や宗教や生活習慣の違いをわかった上で色々と話ができるのは本当におもしろい。
思いもしないような角度から物事をみていたり、意外なところで話が合ったり。
違いが大きいからわかりやすいしね、勉強になるなぁ、成長させてもらってるなぁ、と思います。

フランスには黒人が多い。それは現実として見ていたけど、ただ知ってるだけだったんだなと。毎日のように会ってる友人（黒人）の１人が、ホニャララって島から来たってのは知ってた。（また忘れた）でもそれがどこにあるか調べたことがなくて。バカンス中に同じ島からやってきた子に出会い、その子がわざわざ地図を指差して教えてくれた。でびっくりした。フランスの島って言ってたから、近くに浮かんでる島だろうと思ってたの。そしたら全然遠いし！そうじゃん、ニューカレドニアだってフランス領だし、旦那だってアフリカのフランス領から来たんじゃん！地図で見てみて始めて、わかったつもりで全然わかってなかったな〜とはっとさせられました。黒人だけどフランス人だし、フランス語でしゃべるから特になんにも考えず漠然と「フランス人」くくりしていた友人が、突然、同士のような、ちょっと近い存在に感じるようになるから不思議。あんたも遠くから来てたんだねぇ！って。とは言っても母親と一緒に子供の頃に来てるし、従兄弟やなんかも半分は本土にいるそう。フランス領、不思議。昔、満州が日本だったみたいな感じ？でも今は違うし沖縄も日本だし、文化が違うから、沖縄は沖縄だと思うけど、アメリカよりは日本だと思うのはやっぱり近いから？いやそれに沖縄の人々はアメリカ人には見えない。そんな常識で育ったわたしには、本土から遠く離れたいくつかの場所にも日本がある、というイメージが湧かない。白人が黒人の土地でここはフランスです、イギリスです。って言う意味がわかんない。植民地なんて昔の、教科書の中の話だった。ハワイに行ったら日本人と日本語だらけだった、っていうのとはまた違うしね。遠くにあるのに日本。想像できる？

そういえば最近、メキシコ系移民とアメリカ黒人のコラムを読んだ。アメリカ黒人も皆移民に変わりはなく、白人に酷い扱いを受けていたのは言うまでもないけど、最近の若い世代の間ではアメリカ黒人が同じことをメキシコ系移民にしてるらしい。悲しいかな。


人々のつながりや人種による基礎の違い、

なんだか少し考えさせられた夜でした。

それともうひとつ思ったこと、日本はそんなに小さくないね！